これの続き
Firefox AndroidにおいてはWebAuthnの実装をGoogleのFIDO2ライブラリを使っている。このライブラリはWebAuthn APIをそのままJavaのインターフェイスにしたようなものなので、Firefox AndroidにおけるWebAuthnの対応はこのライブラリの実装内容に依存している。
今年になってこのライブラリがアップデートされ、resident key (Discoverable Credentials) 対応が含まれた。ただ残念?なことにそのAPIを使うと、CredentialsがGoogle Password Managerで他のデバイスとGoogleアカウントを通じて同期するようになる。要は勝手にPasskey対応になってしまう。もちろん同期しないオプションなんてアプリケーション側が使えるAPIには存在しない。なお、デバイスがGoogleアカウントにサインインしてない場合、Passkeyが作成できないというエラーでWebAuthn APIは失敗する。
このような状況なので、いくつか懸念点はあるんだが、Firefox AndroidのStable版はabout:configを使えるわけではないので、デフォルトオフで実装は入れておいた。Firefox 114のBetaおよびNightlyでabout:configで該当設定を変更すれば使えるようになる。
PasskeysがGoogleアカウント経由で同期されるということは、例えば、ChromeでPasskeyを使ってサインインした場合、そこで利用されたCredentialがFirefoxでも使えてしまう (もちろん逆も同じ)。そのような感じでいろいろどうかと思う動作がいろいろあるので、Bug 1831137に解決しないといけない問題は書いてある。個人的にはAndroid 14以上の場合だけ使えるようにしてもいいかもだけど、まだ最終的な結論は決めてない。なぜAndroid 14以降なのかというと、このバージョンではCredential Provier Serviceというものが導入される予定で、Autofill Serviceのようにシステム側で使うように設定しておけば、Google Passowrd Managerではなく、設定したサードパーティのサービスが使える予定らしい。Android 14が出てから考えよう