約2年前に総務省が各キャリアに対して、販売奨励金の改善を提言していたけど、その結果、
NTTドコモ | 2008年度増益 |
KDDI | 2008年度増益 |
ソフトバンク | 2008年度増益 |
キャリア側だけが得をする結果になってしまっている。一方端末メーカーは撤退報道がいろいろ出るなど、結果論から言えば、総務省の指導でキャリア側だけが儲かる仕組みになってしまった。
販売奨励金というシステムなんて、今では海外でもいろいろ導入されているシステムで、日本だけのビジネスモデルではない。海外だと24ヶ月の契約でSIMロックされた携帯電話 (SIMフリーな端末という場合もある) が安く買える (内部で販売奨励金が発生しているため)。もちろん、そういう買い方でのみ携帯電話を買うことが可能ということではなくて、端末メーカーが販売しているSIMフリー端末を買うことも可能。これは、電波の形式はGSM/W-CDMA、メールはSMS (MMS)、データ通信を行う場合はGPRSでという、携帯電話のネットワークの構成が標準に準じているために、キャリアが独自のサービスを展開しづらい状況になっているからだ。そのため、端末メーカー側が主導権を握っているため、販売奨励金のようなシステムが有効に活用される。
では、日本だとどうか。
そもそもキャリアの都合に合せて端末メーカーが携帯電話端末を作っているのが日本のモデル。そのため、キャリアの (新規サービスの) 都合で端末の開発コストは上がっている。それなのに、販売奨励金というシステムに手を入れてしまったため、端末の販売台数が下がるのは誰の目でも明らか。もちろん端末の利幅は小さいため、それで開発コストを賄えるかといえば、賄えないので撤退するのは当然だろう。販売奨励金に手を出したのは、総務省の愚作でしかない。
販売奨励金なんてシステムに手を入れるのではなくて、
- SIMカードのみの契約方法を作るように義務付けること
- SIMフリー端末であっても各社の基本的なサービス (メール、データ通信) を受けられるように義務付ける
- コンテンツ課金を別のキャリアの携帯電話でもできるような仕組みを義務づける
- 中古市場を健全化するために、違法取得端末に対しての情報の提供をキャリアに義務付けること
なんてのをやっておけば、もう少し市場が面白くなったかもしれないとホントに思う。特に日本メーカーが海外で戦えないのは、端末がガラパゴスということではなくて、日本のキャリアのシステム (特にドコモ) がガラパゴスで、各社そこにリソースを入れていたことなんだ。
国が指導するとろくなことないよね。
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