2015-05-05

Adobeが行っている各ブラウザへのコントリビューション

Microsoft EdgeでAdobeがコードの貢献をしたという話があったのだけど、これを見て、EdgeはAdobe、Microsoft連合だ思っている人が多いみたいなので、Adobeが各ベンダに対してやってることを書こうかと。

まず、彼らはSVGとかCSSとかの仕様への貢献をずっと行っていて、SVGの場合ではSVGWGのFace to Faceミーティングの場所を毎年貸し出したりしてる(シアトルのオフィスがそれ)。

そもそもAdobe自体はいろいろとWebに対しても行っているのだけど、彼らにとって、仕様の貢献を行っていても実際ブラウザベンダが実装しない限り絵に書いた餅でしかないので、彼らが必要と思っている(関わっている)仕様に関しては実装まで手を出しているってのがここ数年の状況だ。

Geckoサイドでいうと、CSS Filtersは彼らの貢献なしでは実装が進まなかったというか、その部分に関しては彼らがコード書いている。

WebKitだとCSS ExclusionsとかCSS FiltersとかCSS Regionsらへんが絡んでる。(Feature FlagをAppleがOnにしないとSafariとかで使えないけどね)

BlinkだとBlendingとかCSS Sharpesとか

このようにAdobeという会社は各ベンダーのエンジンに対してコードを書いてたりする。自分たちが必要だから仕様を策定しているのだから、そりゃ当然実装にも手を出すよねってこと。Microsoftの件はそれがOSSでなかったとしても手を出し始めたということだね。

基本的にAdobeのブログとかで触れられるCSSとかの仕様・技術の話は彼らが仕様策定に絡んでいたり、実装を行っていたりするものなので、そういう視点でブログを読むとより楽しく感じる思う。

ちなみにAdobeのMozillaへの貢献としてTamarinというJITエンジンの話を出す人がいるけど、あれパフォーマンス出なくてGeckoへ統合されなかったものなんだよね。しかもその後、現Mozilla CTOのGalがほぼ一人で書いたTracing JITのほうが遥かに速かったというオチまでついた。(JavaVMへのTracing JITの実装を大学でやってた時にBrendanに引きぬかれたのがMozillaに来たきっかけだった記憶がある)

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