25MB程度ってのは、FirefoxのコアモジュールであるXUL.DLL。Mozillaでは現在Win32 (x86)はVC8を使ってて、Win64 (x64)はVC9を使ってるんだけど (なんでWin64だけVC9使ってるかというとコンパイラのバグのせいで生成したコードが正しくないから)、現在ビルドチームでVC10に移行することを計画してる。
FirefoxというかGeckoでは、メモリ関連のモジュールは、VCのCRT内部のメモリ関数じゃなくて、jemallocというFreeBSD由来のモジュールを差し替えてる。VC8とかVC9だと、CRT (MSVCRT*.DLL) のソースコードがコンパイラに付属しているので、それをコンパイルしてメモリ関連だけ置き換えて使ってるんだけど、VC10からはビルド可能なソースコードが付かなくなった。その関係で未だにVC8とかVC9を使ってたんだけど、Kyleがハッキーな方法を見つけたんで、VC10を使ってもjemallocが動くようになった。そのため、今VC10で動く (=自動テストがちゃんと通る) ように一部のメンバでいろいろと動いてる。
Win64版はVC9を使ってビルドしてて未だオフィシャルではないけど (Nightlyはある)、自動テストが毎回走ってて、JavaScript周りの一部のIssueを残して問題なくはなってる (多分GC周りっぽいんだけど、手元で再現できなくてホント困ってる)。当然Win64版もVC10に移行する計画があって、ビルドチームのArmenはツール周りで、その他はほぼ僕の仕事でもあるんだけど、最近というか今週テストしてみて、PGOを有効にした状態でビルドができないという問題にぶち当たった。
でなんでかとそのデータを見てみると、Win64版のリンカ (LINK.EXE) がクラッシュして内部エラーで終了してる。でさ、Win32版のリンカ (Win32版のリンカでもWin64の実行イメージは生成できる) で試すと問題なくパスする訳だ。
ということで、mozilla-buildを直せばビルドは可能にはなるんでとりあえず回避方法は見つかったけど、これって直してもらえないかなぁってホント思う。関数のエントリ探しにいって、Access Violation起きてるみたいだけどさ。