NokiaとMicrosoftの提携のニュース。ちょっと感想を書きたくなった。
Microsoftにとってこれが失敗してもそんなに痛くはない。そもそも失敗しているんだから。でもNokiaにとっては、これが失敗したら会社ごと傾くとしか思えないね。Nokiaも失敗しているといっても、従来のNokiaユーザーというのがいたわけ(Nokia N8の売り上げを見ればわかる話)だけど、それに喧嘩を売るような戦略。それに一番重要なのは、今回の発表がフラグシップであるNokia E7が発売になったタイミングという、最悪なタイミングの悪さ。
Nokiaに一番欠けていたのはハイエンドスマートフォンの戦略だ。彼らにとってはMeeGoがその役目になるべきだったんだけど、市場投入を未だ出来ていない。彼らの一年前の戦略が一番痛い形で失敗していたわけだ。
また、Nokiaの端末で最速のハードウェアを採用しているのは、Nokia N900で、TI OMAP3430。これはMotorola/VerizonのDroidと同スペック。一年以上も前のハードウェア。ハードウェアの市場投入に関しても今は遅れをとっている。これについてはいくつかの言い分があるとは思ってて、今のAndroid端末とかは毎日充電するのが当たり前な感じで且つ、電話として使うことをそんなに考えてない。そこの考えがNokiaだとまず電話ありきで物事を考えている節があって、バッテリの容量と使用用途、時間を考えてハードウェアを決めてる感じだから、なんとも言えないけど。少なくともS60の最初のバージョンが出たときは、Nokiaが最速のチップを使っていたのだから、市場投入までのスピード感が現在では欠けている。
もうひとつの問題。現在、Nokia Platformに対しての開発者の囲い込みに失敗しているところ。素晴らしいOS、ハードウェアを作ったとしても、ソフトウェアがなければ意味がない。そのエコシステムの作成に完全に失敗している。ドキュメント、ツールチェイン、統合開発環境。すべて。これはQtでカバーする予定だったんだけど。
この問題点を解決するには、Android、Windows Phoneのどれかを採用するってのは理にはかなっている。WebOSの場合は、そもそもこれらを解決する方法にはならないだろう(エコシステムの構築を今更できるとは思えない)。また、Androidを採用しても、遅れて参入してポジションをゲットできるかというところだろうな。Nokiaの今までのスピードだとMotorolaやSamsung、HTCに勝てるとは思えない。というところで、Windows Phoneなんだろうなって感じかな。
MicrosoftのWindows Phoneの戦略も中途半端で、AppleのようなMarket StoreにAndroidのような開発しやすい開発言語(C#/.NET) というところなんだけど、どっちも中途半端としか思えない。しかもNative Applicationを許可しない状態だから、BlackBerryと同等としか思えないんだよね、この戦略だと。BlackBerryのようなメッセージング統合とかがあれば別だけど、売りとなる機能にかける状態だから、どこかで仕切り直しが必要だとは思うけど。
この負け犬同士の連合が今後どうなるのかは非常に楽しみ。それはそうと、SymbianはSymbian Foundationのままでやってればよかったのにね(富士通とかSymbian採用している会社、どうするんだろ)。NokiaとしてこのMicrosoftとの決定がつい最近だったというのはホントよく分かるよ。