2011-06-25

text-overflowの仕様が複雑になってる話

Firefox (7ね) でもtext-overflow: ellipsisが実装されたわけだけど、text-overflowのスペックがcss-uiに移った関係上、Tantekがいろいろなことを細かく追加してくれてる。それらの話は勝手にTantekが書いたわけではなくて、いくつかの議論が過去にあったことをちゃんと反映したということが事実でもある。

でさ、IE9が出たときに一番感心した点でこのtext-overflowの実装がちゃんと最新の話を追従してきてたというところ。最新の仕様でちゃんと定義されたものの一つとして、スクロール時の動作ってのがあるんだ。

<div style="width: 5em; text-overflow: ellipsis; overflow: scroll;">
  AWESOME
</div>

こんなCSSがあるとすると、スクロール可能な状態でかつ省略文字(...)がつく状態になる。で、スクロールしたらどうなるかというと、ちゃんとスクロールに追従して、"..."を表示する場所を変えなければいけないってことになったんだ。で、これを最初にちゃんと実装したのがIE9だった。で、複雑すぎるテストケース (rtlにしてみるとかいろいろあるよね!) を書いてみてもIE9はまともに実装されて感心した。

ちなみに、ちゃんとOpera 11.50ではこの仕様にちゃんと追従してて感心した(けど、rtlになったとたん破綻する話は相変わらずだったけどね)。

これFirefox 7でもちゃんと実装してあるんで、最新仕様に追従してないのはWebKit系だけっていうことになるんだけど、これってもうWebKitの最新版で追従できてたっけ?

2011-06-08

IVSというかUnicodeに見る日本政府のダメな感じ

UnicodeでのIVS (Ideographic Variation Sequence) の倒れそうなお話

IVS (要は異体字のサポートね) ってのはUnicode 5.1で導入されたもので、簡単に言ってしまえば、"渡辺"の"辺"っていろんなバリエーションがあるじゃない?で、それをどうにかできるものなんだよね。それだけ聞くと、おぉ!いいじゃない?って思うんだけど、まぁ、聞け

"辺"の例は、この日経の記事にあるけど、これはわかりづらいから、もっと簡単な例をだす。

U+53DFの異体字一覧があるわけだけど、なんか気付かない?。同じ文字としか見えないものがダブってるだけだよね。

Adobe-Japan-1ってのは、その名の通りAdobeのフォントで定義されてたものヤツ。ある意味出版系で使われているから標準の一つであるよね。もうひとつ、Hanyo-Denshi ってのは、汎用電子情報交換環境整備プログラムで定義されているヤツで要は住基ネットとかe-Japanとかで絡んでたヤツってこと。明らかに正規化を怠ってる感じになってる。

でさ、同じ時期に両方がサブミットしてるんだったら、正規化に失敗するってのだったら、まあ、しょうがないよね、どうしようかって事になるんだけど、どうもAdobeが字形の一覧をサブミットして公開されたのが2007年で、日本政府系のフォントのは2010年。ということで明らかに日本政府関係がやっちまった感じっぽいんだよね。

また、いろいろな話を探っていくと、日本政府関係者が同じっぽい字形が入ってるのを知りながら同じ字形をサブミットした理由ってのが、同じ字形かどうかが分からないから別の字形として申請したというアホな理由ぽいらしいんだけど、関係者に会う機会があったら、是非ホントのところを聞いてみたい感じ。ていうか、Adobe呼んで相談すればいいだけの話じゃない?

こんなアホな理由で同じ字形が複数登録されるくらいだったら、日本の政府関係者は、国際規格に関わらない方がいい規格になると思うのは、オレだけ?